ミーハー主義。

テレビ業界で働く私が、アイドル・テレビ番組・映画などについて書きます。

テレビ関係者が考える「めちゃイケ」と「みなおか」が終わる3つの理由

f:id:shone-3:20171103180209j:plain


(出典:めちゃ×2イケてるッ! - フジテレビ

朝起きたらとんでもないニュースが目に飛び込んできました。フジテレビの看板番組である「めちゃ×2イケてるッ!」(以下、「めちゃイケ」)と「とんねるずのみなさんのおかげでした」(以下、「みなおか」)が来年3月をもって終了するというニュースです。「みなおか」は30年、「めちゃイケ」は22年の歴史に幕を下ろすこととなりました。(とんねるずのみなさんのおかげでした&めちゃイケ 18年春終了へ - ライブドアニュース

初めに言っておくと、僕は「めちゃイケ」がかなり好きです。いや、本当に。

この番組があったからテレビ業界に入りたいと思ったほど。特にオファーシリーズが大好きで、モーニング娘。のライブに潜入した私立岡村女子高等学校。とエグザイルのライブに潜入したオカザイルは青春のすべてです。岡村さんのまっすぐに努力する姿勢に感動しつつ、ライブではちゃめちゃやる笑いとのバランスが絶妙すぎて。何度DVDを見たかわからないほどです。

(世代的にとんねるずの全盛期は生まれる前なので、「みなおか」は好きでも嫌いでもありません)

そんな大好きな番組がなぜ終わるのか。それには明確な理由があると感じたので、記事に書いてみました。個人の意見として、三つの観点から理由を述べていきます。 

 

製作費が高すぎる

f:id:shone-3:20171103175319j:plain

なんで番組が終了するのか。

一言で言うと、採算が合わなくなったから。

言い方を変えるなら、投じる番組制作費に対して十分な広告費がつかなくなってしまったから、です。

どちらの番組も視聴率の低迷を言われており、番組終了の噂は絶えませんでした。当然、低い視聴率ではスポンサーがつかず売上を伸ばすことはできません。

ただ、それ以上に問題であったのが費用です。この2番組は番組制作費が高すぎるのです。なぜなら、スタジオでのトークもあり、ロケ企画もあり、放送によって毎回企画を変えなくてはいけない”総合バラエティ”というジャンルの番組であるためです。

 

それに対し、例えばフジテレビの「さんまのお笑い向上委員会」は”トークバラエティ”、「VS嵐」は"アミューズメントゲームバラエティ"、と呼ばれます。これらの番組に共通することは番組のフォーマットが決まっていることです。スタジオでの収録のみなのか(「さんまのお笑い~」「VS嵐」など)、VTRを事前に撮影編集しスタジオで見るのか(「スカッとジャパンなど」)、外でのロケのみなのか(「おじゃMAP」など)といった具合にです。

制作陣からすると、フォーマットが決まっているかいないかで必要な労力が全く違います。フォーマットが決まっている番組は制作工程が効率化されていき、オンエア日の7日前には編集を始める、二週間前には収録の準備が終わっている、三週間前にはリサーチを始める、などルーティーン化されていきます。それに対し、「めちゃイケ」や「みなおか」は企画次第で必要な準備が変わりますから、効率化をそれほど期待できません。番組が毎週放送されますので企画は同時並行的にいくつも進む中で、スタジオもロケもVTRもすべてやる、というのはあまりに大変なことすぎるのです。労力がかかる分スタッフも大勢必要になり、製作費も増していくというわけです。

膨大な製作費がかかる番組が低視聴率で、スポンサーの広告費が安いとなれば終わってしまうのは仕方ないことと言えるでしょう。

では、少し掘り下げて「めちゃイケ」と「みなおか」はなぜ低視聴率になってしまったのか、について考えてみましょう。 

 

内輪ノリ的な空気感がうけなくなった

f:id:shone-3:20171103175527j:plain
(出典:とんねるずのみなさんのおかげでした - フジテレビ

ファミリー特有の空気感が時代に合わなくなってしまったのです。

フジテレビが得意であった、番組にファミリー感を出して(出演者同士と制作陣が仲良くなって)一体感を持つ番組を作る、という手法。いいとも、ヘキサゴン、めちゃいけ、みなおか、めざまし、などなどたくさんの人気番組で〇〇ファミリーと呼ばれ、愛されてきました。そのファミリーの中でのみ通用する、お決まりのルールや文脈があります。例えば、「めちゃイケ」で言えば極楽とんぼのふたりがどつき合いのけんかをする、「みなおか」でバナナマン日村さんを徹底的になじったり、といったことです。こういったすこし過激なものは文脈を理解していなければ、ただ不快なものになってしまいます。最悪な形でそれが露呈したのが、「みなおか」の保毛尾田保毛男でしょう。

soshi-matsuoka.hatenablog.com

 

また、二つの番組が一世を風靡した90年代、00年代前半に熱狂的にテレビを観ていたであろう若者たちも、30,40代になりそこまで熱心にお笑いバラエティも見るような年齢でもなくなった。番組としてファミリー特有の空気感は変わらないが、視聴者や社会は大きく変わってしまいずれができていった。かつての超人気番組が低視聴率になっていった一つの理由です。

 

演出くさすぎる

f:id:shone-3:20171103175756j:plain

もう一つが、二つの番組は演出色が強すぎるということです。

現在の視聴者は、制作者が恣意的にこういう風にしたらおもしろいだろうとする演出を嫌う傾向があります。それよりも、リアリティーがあって嘘がない番組や出演者を好みます。例えば出川哲郎さんは、等身大の”リアルガチ”な振る舞いに好感が持たれ今や見ない日はないほど人気ですし、Youtuberも「○○をやってみた」シリーズなど、本当にお金をかけてメントスコーラの風呂に入ったりする、そのリアリティーがあるからこそ受けています。「陸海空」というテレ朝の番組でも、染料を顔に塗りたくって真っ黒になってしまったナスDも偶発的に起こったハプニングだからこそ、あれだけ視聴者にも受け入れられているのです。

その点、「みなおか」の落とし穴の企画や男気じゃんけんはやらせではないかと疑われるようにリアリティーに欠けるものになっていたり、「めちゃイケ」のオファーシリーズでも関係者すべて知っているのに知らない「てい」にしたりと、くさすぎる演出を行います。

SNSが普及して芸能人が身近になった今、テレビっぽい派手さや芸能人っぽい暗黙のルールは好かれず、日常の延長にある想像しやすいことを視聴者は好むようになったのです。

 

まとめ

f:id:shone-3:20171103175900p:plain
(出典:AbemaTV(アベマTV) | 無料で楽しめるインターネットテレビ局

この二つの番組が終わる、という裏ではSMAPを辞めた三人のメンバーがAbemaTVでやっている「72時間ホンネテレビ」が話題です。ネットテレビの文脈の中では過去最大級に大きく話題になっており、地上波のテレビを揺るがす出来事であることは疑いようがありません。この背景にあるのも「ホンネテレビ」と言っているだけあって、演出くささやしがらみが一切ない番組だからこそ視聴者に受け入れられ応援したくなるのでしょう。

何はともあれ、おおきく舵を切ったフジテレビから新しい番組が出てくることに大きな期待を寄せましょう!