ミーハー主義。

テレビ業界で働く私が、アイドル・テレビ番組・映画などについて書きます。

netflixの新CM「人間、明石家さんま。」から見えるさんまの哲学

f:id:shone-3:20170914232555j:plain
(出典:人間、明石家さんま。「確率論」の話 - YouTube

明石家さんま。ビートたけし、タモリに並ぶビッグ3と言われ日本中のだれもが知るお笑い大怪獣。

その面白さはわかっても、生き様のかっこよさは意外と知られていないかもしれません。

netflixの新CM「人間、明石家さんま。」

「人間、明石家さんま。」はプロインタビュアーの吉田豪が明石家さんまさんに仕事や結婚、テレビのことなどインタビューをしていくものです。現在、Youtube上で10本のインタビュー動画がアップされています。netflixオリジナルドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』が近日中に公開されるということに先立ってのCMでしょう。

私も吉田光雄さんのツイッターで流れてきたので試しに動画を見ると、プロモーション動画とはいえかなり見ごたえのあるものでした。netflixという媒体だけあってテレビ的にはNGの話も飛び出します。テレビ業界のよくない体質や今後についてなど、厳しい話も赤裸々に語っています。私もペーペーではありますがテレビ業界に身を置くものとして、考えさせられる部分がありました。

同時に、さんまさんの生き様が伝わる動画でした。垣間見えたさんまさんの哲学について書いていきます。

賞なんて意味ない

www.youtube.com

 さんまさんは賞を断ったり、賞レースの審査員をやらないことで知られています。賞に興味がなくなったきっかけを聞かれて、さんまさんは二つのエピソードを紹介していました。

「なんかの投票で一位やってんけど、おれが表彰式にいけないってなってんな。そしたら、すいませんこの人にしますって言って、二位の人になって。えっ、そんなもん。賞ってそんなもん。って思った。」

「他のテレビ局の演芸で、金賞決まったっていうのもあってんな。あーゆーテレビ局のそういう賞もらえるのかって言って、そんならそれを決めてる人が自分の彼女がいててその人と深い関係やって、その人になったからって言われて。もう賞なんかいらんわ!」


賞レースは芸能界においてもたくさんあります。お笑いではM-1、キングオブコント、ABCグランプリ、女優では全国的美少女コンテスト、スカウトキャラバン、俳優ならJUNONなど。もちろん厳密に審査しているものもあるけど、中には事務所のパワー、行政、はたまた枕だったり、、といったことで優勝者が決まるなんてこともしばしば。大人の事情が積み重なっての結果なわけです。さんまさんはそれを体験して、賞に興味がなくなったんだと。そのうえで、

面白いものさえ作れば、賞なんて関係ないと思うんやけど。

この一言。ぐうの音もでない。

さんまさんは賞レースの審査員を受けない理由は「人を審査できるほど、腕を持っていないのはわかるから。」とあくまで謙虚な姿勢。順位ではないお笑いを追及しています。

感動系番組の増加

www.youtube.com

感動好きな人多いよな。だからあかんねんな。
ある時から感動好きな人が増えた。それが不満。そんなに泣きたいか、と思ってしまう。

感動させようと意図している、時には押し売りにも近い番組が増えているのは実感として分かりますね。BGMで感動系の音楽が流れたり、スタジオでゲストが泣いていたり、ストーリー的に誰かが死んだりする演出はもう見慣れてしましました。しかし、さんまさんはただ感動を作るだけではなく、その先にお笑いがあるといいます。

辛いときに笑わしたいと思ってテレビ作りしてるんで、俺の番組で泣くのはおかしいと思って、やり続けてんねん。この感動を笑いに変えられるやろということ。涙だけじゃないやろ、この感動を笑わせて涙指すのがベスト。

ナインティナインの岡村さんも「さんまさんにテレビで泣いちゃいけないと言われている」と何度も言っていますね(これも美談になってしまっていますが)。お笑いからぶれない感じはさんまさんの軸の部分。

見えない敵たち

www.youtube.com

(俺は)テレビをすごいもんだと思ってやりすぎてるから、今の子たちはテレビをすごいもんと思ってみてないから、その辺のずれは絶対あるね。Youtubeで見てますって人多いし、そのYoutubeでスターになろうという芸人も多々いるんで。俺はYoutube敵やねんな。でも、Youtubeで知ってもらうこともあんねんな。残念ながら。だからその辺が、整理つけてるところです。

テレビにとっては一番クリティカルなインターネットの存在について、はっきりと敵だと言っています。俺はテレビに育てられ、生きてきたんだといわんばかりに、テレビの熱を語ります。


そのうえで、地上波と比較しインターネットだと放送コードが緩く自由にできることについては、という質問に対し

放送コードが緩いことは魅力じゃない。(中略) ルールがあるからおもしろいってのがあんねんな。

最近ではコンプライアンスやら自主規制のせいでテレビがつまらなくなった。だからインターネットでやろう。というのが一般論の中で、ルールの中でやるからおもしろいと明言。他の芸人とは一線を画しますね。

「人間、明石家さんま。」から見えた哲学

テレビを客観的に見て、賞のあり方や近年増える感動番組への投げかけ、ネットへの意見を述べてくれています。

この動画から分かる彼の魅力は何よりもそのストロングスタイルな芸風。とにかくお笑いを追及し、企画や演出にも頼らず、世間にも迎合せずしゃべくりだけで笑いを作っていく。流行りに身を置かず自分の味方らだ一つで勝負する。そのスタイルこそが何より人を引き付けるモンスターたる所以なのでしょう。

 60歳で引退すると言っていましたが、62歳の現在も現役バリバリのさんまさん。今後の展開が楽しみです。 

にしても吉田豪さんのヒヤヒヤする質問の投げかけ方はほんとうにうまい。。