ミーハー主義。

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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?は『君の名は。』になれない【感想・ネタバレあり】

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(出典:映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

今回は映画の記事です。前々から上映を楽しみにしていた、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を公開日初日に見ました。

そのレビューを全力で書いていきたいと思います。

 

概要

この作品は、1992年もともと岩井俊二監督によって作られたテレビドラマが原作です。Love letterスワロウテイルリリィシュシュのすべて』などで知られる彼ですが、彼の知名度を一気に上げたのはこの作品。テレビドラマ作品で異例の日本映画監督協会新人賞を受賞しました。映画の監督をやるようになったきっかけとなった作品です。

そんな『打ち上げ花火~』が、今年アニメとしてリメイクされたわけです。


制作陣も超豪華メンバー。
監督:新房昭之(『魔法少女まどか☆マギカ』など)
脚本:大根仁(『モテキ』など)
P:川村元気(『シン・ゴジラ』『君の名は』など)
といった面々に、声優は広瀬すずと 菅田将暉に宮野真守というメンバー。

『君の名は』で映画の市場をググッと広げた東宝が、今夏勝負をかけた一本なのでしょう。 

あらすじ

 小学生の典道と祐介は仲の良い友達だが、実は2人とも同級生のなずなのことが好きだった。しかしなずなの両親が離婚し、彼女が母親に引き取られて2学期から転校することになっているとは、2人には知るよしもなかった。親に反発したなずなは、プールで競争する典道と祐介を見て、勝った方と駆け落ちしようとひそかに賭けをする。勝ったのは祐介か? 典道か? 勝負のあとから、異なる2つの物語が展開する。(打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか? - Wikipedia

 

【ネタバレなし】感想

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(出典:DAOKO×米津玄師が主題歌 広瀬すず×菅田将暉 劇場版アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」特報公開 - YouTube

まずね、大前提。ヒロインのなずながかわいいい!!!

アニメであまりこう思うことはないですが、かわいい。性格面も思春期ならではの、自分が確立しておらずミステリアスなオーラを放つ。アニメの映画では一番レベルで、惹かれた女の子です。しかもカメラが寄る!!かわいいの押し売り!!うわああと恋しそうになります。
 
また、原作では主人公たちの年齢が小学六年生なのに対しアニメ版では中学一年生の設定。年齢設定を少し上げたことで、アニメ版ではかなり恋愛によった作品になっています。だから、主人公たちに対してうらやましい、いいなあと思いが芽生え素直に感情移入できました。話の展開的に、なんでいかねーんだ!って思うことも。
 
そして何と言っても新房監督が撮ったということで、とにかくきれいな映画。
カラフルでCGがたくさん詰まっており、映画館でこそ見る映画だったなあと思いました。
 
ただ、肝心のストーリーがなかなか解釈が難しいものではあるのかなという印象。鑑賞中になんで?を持ってしまうときりがないので、何も考えずに目の前を楽しむスタイルでいきましょう。
 
結論、雰囲気重視でも楽しめるぞ!って人は行くといいんじゃないかな。デートにもぴったりだと思いますよ。

ネタバレあり】感想

 

 

 

 

 

 

もう、さっそくネタバレしますよ?いいですね?

 

 

 

 

 

 

 

 

改めて【ネタバレ】感想

原作の壁は高かった。アニメ表現の限界というところでしょうか。
原作に忠実にストーリーを言えば、
ある男の子がある女の子に恋して、なぜだか過去が少しだけ変わって、ちょっとだけ一緒に過ごせた」 ということになります。転校してしまう子への一瞬の恋心と花火が重なり、刹那の儚い煌めきでノスタルジーや切なさを生んだ作品です。
 
しかし、アニメではこの微妙な、繊細な機微を表現しきれなかったかな。。。
理由としては以下に挙げられます。

尺(時間)

原作は45分なのに対し、アニメ版では90分まで引き延ばしています。
話の展開

話を膨らませるために何度もタイムリープさせます。その結果、タイムリープが強調されすぎ、現実の世界なのか・異なる世界なのか、分からなくなってしまいました。

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(出典:映画『君の名は。』公式サイト
 『君の名は』は、そこらへんがかなり上手でおなじタイムリープでも「主人公の男女が入れ替わっていること」「二人の間に時間のずれがあること」を明確に示していました。

その点、『打ち上げ花火~』ではだれがどの時間を生き、過去に戻った場合、記憶はどうなっているのか、などが分からず行動の理由がはっきりと読めない部分がありました。(過去に戻ったのに、 典道はなぜなずなを連れて花火大会にいかないの?など)
時空の移動や内面世界のクリエイティブが増えた
いや、確かにきれいなんです。きれいなんですけど、でも本筋と違うところでの映像は理解に苦しむ場合があります。
『君の名は』では、入れ替わるタイミングで引き戸を引くシーンを何度もいれるのみにとどめています。
 
時間を長くしたせいで、かえって解釈が難しい場面が増えてしまいました。。
 

そもそもアニメに合う作品だったのか?

この議論は公開前から言われつくしたものではありますが、、岩井俊二監督は、盛り上がりのあるようなストーリーを作るのではなく、音楽と映像美で世界観を作り上げ浸らせるタイプだと思います。
 
対象物が絵であるアニメではどうしても微妙な心の動きはとらえづらい。
だから、『あの花』みたいに、『君の名は』みたいに、主人公が全力で走って叫ぶようなクライマックスが必要になってしまうと思うのです。
 
その点、『打ち上げ花火~』では盛り上がりを作りきれなかった。というか、そもそも盛り上がりがあるような原作でもない。
ということだと思うのです。
 

最後に

いろいろとマイナスになるようなことを書いてきてしまいましたが、最後にひとつだけ。ヒロインであるなずなの美しさに関しては、かなり制作陣が努力したのであろうことがひしひしと伝わりました。
 
原作ではなずな役を奥菜恵さんが演じました。当時14歳。一度見たら忘れられないオッドアイ。色気とミステリアスと美人さとすべてを持っている。広末涼子に並ぶ逸材、ここにあり。という状態です。
24年も前でも色褪せないこのヒロインがいる作品に挑んだ制作陣は本当にすごいと思います。夏の淡い思い出がよみがえりますね。
そろそろも夏も終わるというところで以上です!ありがとうございました。